Dec 31, 2011

今年も大変お世話になりました!シロとケンちゃんとステラおばさんの話。

みなさん、こんばんは!
今年もあと数時間で終わりを迎えるますね。
これを読んでいただくのは新年になるかもしれませんが
今年一年を振り返って、感じた事を綴ってみようと思います。

 

出会い、別れ。生きていればずっと繰り返されることですが、
今年は始まってすぐに、この事を考えさせられました。

 

わたしには小学校1年生から、社会人になるまで、
家族で居てくれた一匹の犬が居ました。
小学一年生の3学期、引っ越したばかりで友達の居ない私を思い、
両親が引き取る事を許してくれた、子犬。
紀州犬と秋田犬を混ぜたような顔立ちの
白い犬だったので、そのままシロと名付けました。
(家族はそれぞれ付けたい名前を好きずきに呼んでいたのですが
最終的には私のシロが勝ちました!)

シロはほんとうにかわいくて、全部言葉がわかって、頭が良くて、やさしくて。
私がしゃべっていないことまでもすべて察してくれました。
お昼寝中でも、私の呼ぶ声が聞こえると
「なあに?」という顔でとととっと来てくれました。

私は大学進学で家を離れ、
シロのことは本当に気がかりだったけれど、
いつも元気でいてくれて、私の事は絶対忘れないでいてくれて。
でもだんだん足腰も弱ってきて、
目も見えなくなって、
耳も聞こえなくなって、
私が近づいても分からなくて、なでられてびっくりしていたけれど、
匂いだけは、最後まで分かったから、
すぐに安心して身を任せてくれました。

そしてシロが息をひきとって、
私は悲しくて仕方が無かったけれど
そのあとすぐお父さんが急死して
お葬式やその他、忙しくて忙しくて、悲しんでいる暇がないくらい
やらなければならないことが目白押しで、
あっという間に時が経っていました。

あの時思ったのは、シロは先に死んでくれたんだなって。
お父さんの後にシロ、だったら、悲しみが倍増するような気がして、
でもシロの後にお父さんだと、シロの悲しみはずいぶんと紛れたんだなあと
そんな気がします。

シロもお父さんも、とても寒い日に亡くなりました。
もう10年も前の事だけれど、今年はその事をもう一度思い出させる出来事がありました。

1月。名古屋はこの冬一番の大雪が降った日でした。

私は夢を見ました。
シロが出てきました。ベランダでお母さんに抱きかかえられていました。
シロは死んだはず?あれ?お母さんの抱きかかえるシロをよく見ると
なんだか虫の息で、
そして、なんと、しゃべったのです。
「いままでありがとうございました。。。。」

おかあさん!シロがしゃべったよ!?お母さんに訪ねましたが、
うーんという感じで受け入れている様子。
なんだこりゃ?!半分おかしくて、へんなきもち!

次は場面が変わって、部屋の中。
白いもふもふしたムートンみたいな絨毯の上に、
お父さんと、シロと、もう一匹、白いちいさな犬が居ました。
絨毯は真っ白で、雪のようでした。
お父さんも死んじゃったのに、ここに居る、、、??どうなってるの??

と思った所で夢が終わりました。
目が覚めて、とても不思議な気分。
特にシロがしゃべった所が、なんだかおかしくて!

 

その日の夜、電話がありました。
とてもお世話になった方、まだ還暦を迎えたばかりのお若いその方が、
昨夜亡くなられたとの事でした。
みんなケンちゃんと呼んでいて、とてもシャイで優しい方。
そのお知らせの瞬間、いろんな事が繋がりました。

昨日のシロは、ケンちゃんだ!
ケンちゃんはシャイだから、シロになって出てきたんだ!
おかしくて笑いながら、涙が止まりませんでした。
その電話はケンちゃんのお友達で、お家にご挨拶に行くのでと、
私も誘ってくれました。

なんでケンちゃんが私の夢に出てきたのか。
でもそのときはよくわかりませんでした。
分からないけれど、嬉しかったし、お別れがちゃんと言いたいと思いました。

でも何日か経って、
私は、この事を娘さんに伝えるためにケンちゃんが私の夢に出たんだ!という事を思い出しました。
会ってつたえなくちゃ。

 

ケンちゃんは娘さんと2人暮らしでした。
娘さんは3人居て、一番上と一番下の娘さんはご結婚されていて。
奥様は、いらっしゃらなくて、離婚されたのか亡くなられたのかは知りません。
真ん中の娘さんはとても明るくて、優しくて、美しい方でした。

ケンちゃんのお友達2人と娘さんと、朗らかに思い出話をしながら、
変に思われるかなと思ったのですが、夢にシロが出てきた話をしました。
もしかしたら、ケンちゃんなんじゃないかと思ったんです、と伝えたら、
「白い犬を飼ってました!一年前の、同じ雪の日に死んでしまったんですが。」
え?え?。。。。。もしかしたら、次の場面で出てきた小さい白い犬は、、、!?
いろいろ考えが巡りましたが、とにかくシロの姿でお礼を言ってくれたのは
ケンちゃんだったと確信し、私が思い出したケンちゃんの言葉を伝えなきゃと思いました。

「ケンちゃんがよくお話されていた事で、お伝えしたい事があって。
”自分は今まで一番後悔している事があって、
それは、一度だけ娘に手をあげた事だ。あれは本当にかわいそうな事をした”って。」

今までずっと笑っていた娘さんが、初めて涙を流しました。
「それは、、、一番上の姉の事だと思います。
そうなんですね、家では何もしゃべらないから、、、。
ありがとうございます。姉に伝えます。」
涙を流しながら笑ってくれました。
私も涙が止まりませんでした。
このことだよね?ケンちゃん!

 

そんなふうにして、一年が始まって、
震災があって、
たくさんの人の命が無くなって
でも私の周りでは新しい命もたくさん授かって
自分の生きてる意味が分からなくなったり、
たくさんの思いやりと勇気をもらったり、
命というものにすごく向き合った年でした。

 

話は変わりますが

私の大好物、ステラおばさんのクッキー。
あんまりおいしくて、なんでこんなにおいしいんだろうと思ったら、
このレシピを日本に伝えた創業者の方が、ステラおばさんに言われた事で
とても素敵な言葉がありました。

「いいかい。クッキーやケーキを作るとき一番大切なのは、
オーブンの温度じゃないんだよ。
それを誰かの為に作ろうっていう気持ちなんだよ」

全部同じなんですね。
生きるってこういう事なんだと思いました。

自分のできる事を精一杯やる事しか無い。
小さな事でも、いいんだなって。
お掃除をすることでも
お花を生ける事でも。

そして闇ではなく光で見る事。
闇は楽だから、闇は巨大な力を生むけれど
光の力を信じる事。
大切な人たちの事を思えば、光が差し込んでくる。

 

そんな気持ちで、今年も終わろうとしています。
どうかお体に気をつけて!

 

来年が皆様にとって良い年でありますように!

 


Posted in life, miette-oneNo Comments » 

関連記事

Comment





Comment