Sep 10, 2012

ミエットワンのグラスゴー大冒険・第1章の10〜ボーイ・へアドレッサーズのその後とグラスゴーの温かみ

           
>>全体目次はこちら☆ ← ← 今は第1章の10
           

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みなさんこんにちは。ミエットワン、はしもとさゆりです。
突然ですが私の音楽遍歴のようなものを書こうと思います。

 

私が音楽を作るきっかけになったのは、
言わずもがなフリッパーズギターの影響でございまして、
フリッパーズは惜しげも無く自分たちが影響を受けた音楽を
元ネタとして公表していましたので
それをたどりながら夢のような音楽ライフを過ごしました。

 

当時同じくフリッパーズファンで4歳年上の
ミズエさんという女の子と文通していて、
彼女からの影響は計り知れません。

 

初めてパステルズを聴いたのも、BMX Banditsを聴いたのも、ビフ・バン・パウを聴いたのも、セイントエチエンヌを聴いたのも、プライマル・スクリームもシャーラタンズもライドも、モンキーズも、ハーパース・ビザールもトロヴァヨーリもロジャニコも、ぜーーーんぶ彼女のミックステープからでした。他にもたくさん。猛烈に文通して、テープを送り合っていました。

 

フリッパーズの残したパズルを解いていくという作業は
仲間との出会いや、音楽を作るという事や、感性、
ありとあらゆる面で今の私を作っているのだと思います。

 

そしてそんな人たちが私の他にもたくさん、
日本中にいらっしゃると思っています!
(今この記事を読んでくださっているみなさんの中にも、
きっと同じ方がいるのだと思って、これを書いています。)

 

わたしはその時といたパズルの断片を
夢の国のものとしてではなく、
実際に見て、わいわいして、音楽まで一緒にやるという、、、

 

信じられないことがおこりました。

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(!!!!!)

いろいろなことが重なって、運がよかったとしか言いようが無い部分もありますが
それでもなぜこんなことが起こったのかと振り返って考えると、
グラスゴーのミュージシャン達とふれあって感じた2つのことに
答えがあるような気がしました。

 

一つは、わたしがDIY精神を大切にしてきたということ
ノムラ君と私で13年前に始めたabcdefg*recordというレーベルは
設立以来どこからも資金提供を受けず、
これでもかというくらいの家内制手工業。
「手作りのクッキーはいびつだけれど心が込もっていて美味しい」
そういう感覚が好きで、大切にしています。

 

それから、人をお金で雇うようなことをしません。
(すなわち全部自分達でやることになる。。。DIYです。)
私たちもお金ではなくて心意気で仕事を引き受けます。
だから精神的にとても自由です。

 

実は、グラスゴーで私が会ったミュージシャン達からも
同じ精神を感じました。人、というより、土地全部から感じました。

 

こんなにキャリアも実績も実力違うのに、
一緒に音楽をやっても安心していられたのはDIYのおかげです!

 

それともう一つはグラスゴーの人々が本当に暖かいこと

 

「私たちが思う友達という感覚でいると、びっくりするよ!
想像以上に仲良しなの!親戚か家族みたいなの!」

 

グラスゴーのことについて話したポッドキャストで、
わたしの口から出た言葉。
驚いたことに、先日公開されたあるインタビュー
BMX Banditsのダグラスさんが同じことを言っていました!

 

THE POSSIBILITIES ARE ENDLESS
THREE DECADES OF GLASGOW MUSIC – PART II

Boy Hairdressers became Teenage Fanclub and, along with BMX Bandits and The Vaselines, were partly influenced by “unaffected” American bands like Sonic Youth and Dinosaur Jr. In an unlikely twist, they also became icons for American grunge. “The Vaselines are my most favourite songwriters in the whole world,” Kurt Cobain once said, before covering their song ‘Jesus Doesn’t Want Me For A Sunbeam’ for MTV Unplugged in New York. Teenage Fanclub toured with Nirvana on their Nevermind tour, and Kurt described BMX Bandits as the one band he would have liked to have been in. I asked Duglas Stewart why he thought that was. “He met people like Norman [Blake] and Eugene [Kelly] and he admired them a lot. I think it was the warmth – the connection you could make here – in terms of music and personality. I think Glasgow has an honesty and a sense of belonging that it extends to outsiders. You can be on the other side of the world and still feel that connection. Bands in Glasgow are like an extended family, not even just for musicians. I’ve got friends who’ve never played a musical note in their lives but still live through BMX Bandits in a sense.”

 

この記事はグラスゴーの音楽シーンの変遷について、PastelsのスティーブンTFCのレイモンドゴードン・キーンさん、ダグラスさん、モグワイのスチュアートなどなどにお話を伺ってまとめているものなのですが、ここに書いてあることが、私がこの旅で感じてきたこのとがそのまんま書いてあって、なんとも不思議な感覚です。とても長い記事の中の一部を切り取ってみましたが、それでもながいですね。

 

前回の記事にも書いた、カート・コバーンの言葉は、バンディッツやグラスゴーのミュージシャンを語るのに至る所で引き合いに出されています。このインタビューでも訊かれています。これについて答えているダグラスさんの言葉が、私が感じたグラスゴーそのものだったので上から抜粋して訳してみます。

 

————————–

■カート・コバーンに、ヴァセリンズが『世界で一番好きな作曲家』BMXバンディッツが『もし入れるものなら入りたいバンド』といわれていることについてなぜだと思うかという質問。

” 彼はノーマンやユージンのような人たちに会って、たくさん褒め称えたわけだけど、それはグラスゴーでつながることができる、音楽や人々の温かさの事なのだと思うよ。僕はグラスゴーというところは、誠実で、よその人たちに対してもそこに所属しているという感覚にさせるんだと思う。あなたが世界の裏側に居たとしても、その繋がりは感じられるよ。グラスゴーのバンド達は、まるで家族みたいなんだ。ただのミュージシャン仲間なんじゃなくてね。”

————————–

 

わたしもまさにその繋がりを感じました。
グラスゴーでは、無名の若者も有名なおじさんも
お互いに認め合って、一緒に音楽が出来る
温かいコミュニティーがつくられています。
その温かみはもしかしたら、
人間が一番求めているものなのではないか、、、
グラスゴーのミュージシャンと接しているとそんな気持ちになりました。

 

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(このインタビューは3部に渡ってグラスゴーの音楽の歴史30年を綴っています。
とても読み応えのある良い記事なので、
スコットランドの音楽が好きな方はぜひ!
パステルズのスティーヴンが言ってることが
DIYそのもので、興味深かったです!インディペンデントについて!
パート1はオレンジジュースの貴重な写真がいっぱいです!)
THE POSSIBILITIES ARE ENDLESS
THREE DECADES OF GLASGOW MUSIC – PART I

 

 

ところでなんで私が突然この話をしだしたのか

 

それには理由があります。

 

前回の記事謎の酒好きのおにーさんに会ったあと、
ダグラスさんから

”ジムは古くからの友人でね、昔は一緒に音楽をやっていたんだけど、今は現代視覚アーティストなんだ。
多分、スコットランドで最も成功した人物の一人だよ。
平たく言うと億万長者。あとで調べてみるといいよ。”

upload

んんん?あのおにーさんが? 瞳の奥に自信と強さを感じはしたけど、
億万長者だなんて感じは微塵もなかったなー。

 

で、ウィキペディア見て、

 

びっくり。

 

私が切り取った、英文の冒頭、
Boy Hairdressers became Teenage Fanclub….

 

Jim Lambieさんは、

ティーンエイジ・ファンクラブの前身バンド、ボーイ・へアドレッサーズの
ジム・ランビーさんだったんです!!!

 

一番前の一番真ん中に居る人ですって!!!

(左から、ノーマン、レイモンド、ジム、フランシス、ジョーの順番です。)

ちなみにThe Boy Hairdressersのメンバーは

メンバー    ← その後、または掛け持ちしていたのバンド(他にもありますがとりあえず主なもの)
Norman Blake← BMX Bandits, Teenage Fanclub
Raymond McGinley ← Teenage Fanclub
Jim Lambie ← その後ビジュアル・アーチスト
Francis MacDonald ← The PastelsBMX BanditsTeenage Fanclub
Joe McAlinden ← BMX Bandits,Superstar

 

(ここでみなさんの中でいくつかの疑問が生まれるかと思います。
グラスゴーのバンドって、もしかしてひとつなんじゃ。。。
これについてはまたいつか考察してみたいと思います!)

 

 

わたし、、、、ボーイ・へアドレッサーズに会ってた!!??
さよならパステルズ・バッヂの歌詞に出てくる、あのバンドのメンバーの一人が
今は視覚アーティストだったなんて!!(°⌓°)
しかも、私が泊ってるグラスゴー美術学校の
卒業生じゃないか!←本日2人目

 

ジムさんの作品にはストライプや幾何学模様を使った
カラフルなものがいっぱい。


 

これなんかは今回のシングルのジャケットに通じる感じ。したたるペンキ。


ただの酒好きのおにーさんとか、、、、

 

ホントにたいへんしつれいいたしました!!!!

 

かっこいいです、すごいです、ジムさん!!!!

 

 

あ、、、、、

 

 

わたし、あの手作りCDR

 

 

世界的なアーティストに

 

 

渡してしまった!!!!(°⌓°) 

photo

、、、

 

 

—————————-

そんなわけで今日はグラスゴーの温かい繋がりについて書いてみました。
出来事を書くんじゃなくて
考えをまとめるのって大変だなー。

次の記事はいよいよNeu! Reekie!のイベントの様子。
このイベントはまさに、「おじさんも若者もおじいさんも」で、
かつ新しいワクワクもふくまれているという、
そしてたくさんの人が遊びに来ているという、
素敵なとってもイヴェントでした!
貴重な映像も用意してますので、お楽しみに!!!!

>>第1章の11に続く!!!!

クロエちゃん!

クロエ、かわいいよ、クロエ

 

***ミエットワンのグラスゴー大冒険 もくじ***

■■ まえがき ■■

>>まえがき このブログの目的。

■■ 序 章 ■■

>>序章 もう一度グラスゴーへ行くことになったいきさつ。

■■ 第1章 ■■

グラスゴー約2週間のうちの前半1週間の出来事。
たくさんのグラスゴーの人達に会います。
フリッパーズ・ギターの「さよならパステルズ・バッヂ」の世界!
(第1章は13〜15話になる予定です。)

>>第1章の1〜空港パニック
>>第1章の2〜まずはパステルズに会いましょう
>>第1章の3〜Randolph’s Leapにキーボードを借りる
>>第1章の4〜ベルアンドセバスチャンは映画監督
>>第1章の5〜フラワーガールin God Help The Girl
>>第1章の6〜TESCOで遭遇!ノーマンズ・ペアレンツ
>>第1章の7〜JP対SP-PrimalScream-APM-ナンバガ
>>第1章の8〜KiddとPearlfishersとBMXとAPM
>>第1章の9〜ヴァセリンズに渡した!Neu! Reekie!のイベント
>>第1章の10〜ボーイ・へアドレッサーズのその後とグラスゴーの温かみ← イマココ!
>>第1章の11〜monoの様子とTeenCanteenがとにかくかわいい
>>第1章の12〜The 13th Noteで撮影会!アダムとジェイソン
>>第1章の13〜まとめと用語説明(第1章終了)

■■ 第2章 ■■

グラスゴー滞在約2週間の真ん中でロンドンへ1日だけ行きました!
DANNABLYのジョージやジャニス達と街へ繰り出す!

>>第2章の1〜ロンドンで迷子&BMX Banditsの最新アルバム見切り発車情報
>>第2章の2〜少年ナイフとYuki Kawanaとロンドン
>>ただ今第2章の3を執筆中。(2012/9/30現在)
(第2章は2〜3話になる予定です。)

■■ 第3章 ■■

グラスゴー滞在約2週間の後半の出来事
いよいよレコーディング、そしてライブです!!!

(第3章は5〜7話になる予定です。)

■■ 第4章 ■■

おまけです。帰りにパリに寄ったのでその旅行記。

(第4章は3〜4話になる予定です。)

■■ 番外編 ■■

音楽と関係のない旅のエピソードを書きます。

>>番外編1〜グラスゴーで泊ったホテルでまかない食べた!

 

■■ 前回(3月)のグラスゴー行きのときの記事 ■■

3月の旅が、この大冒険のきっかけになりました。(over 100リツイートいただきました!)
>>スウェーデンとスコットランドの旅ーBMXバンディッツとパステルズに会ってきた!その1
>>スウェーデンとスコットランドの旅ーBMXバンディッツとパステルズに会ってきた!その2


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